乳がん術後ケアコラム

5人の女性のリアル・トークセッションVol.2 再建の検討も経ての今 ~すべての女性へのメッセージ

いつまでも自分らしくあるために

5人の女性のリアル・トークセッション

Vol.2

再建の検討も経ての今
~すべての女性へのメッセージ

世界中の女性たちのQOL( Quality of Life:生活の質)向上を目指し、乳がん手術後のブレストフォームや下着などを研究・開発しているアモエナ。
今回は、「アダプトエア」を実際に使用していただいた5人の女性モニターの座談会を通して、再建術と乳がん検診についてお話しいただきました。

Interviewee

  • まきこ・東京都(50代)

    15年前に左乳房を全摘出。アモエナのブレストフォーム「コンタクト」を使用しているが、ボリュームが足らず、自分でブレストフォームを加工後、使用している。現在、会社を経営し、趣味はゴルフと旅行。

  • やよい・愛媛県(50代)

    10年前に右乳房を全摘出し、アモエナの「コンタクト」を使用中。地元ではブレストフォームを販売している病院が少なく、また人目が気になるため試着をせず郵送で購入していた。

  • なおみ・神奈川県(60代)

    5年前に左乳房を全摘出。手術の際、再建を希望するも、バストサイズが大きく両乳房の手術が必要になるため断念。通気性の良いアモエナのブレストフォーム「エナジーライト」を愛用。

  • かずみ・東京都(80代)

    15年前に右乳房を全摘出。自作のパッドを使用していたところ、病院の紹介でアモエナの「エッセンシャル」に出合う。同製品を長年使用するが、重さによる肩・腰の痛みに悩まされている。

  • あきこ・大阪府(50代)

    温存術後、同側に再発し、右乳房を3年前に全摘出。各メーカーのブレストフォームを試すが、重さがネックになり今まではほとんど使用していなかった。下着には強いこだわりがある。趣味はバレエ。

技術の限界、仕事、費用…
「再建」を諦めた
それぞれの理由

  • 岩嶋

    少し違う角度からの質問です。乳がん手術の際、再建という選択肢もあったのではと思いますが、
    皆さんがそれを選ばなかった理由をお聞かせいただけますでしょうか?

  • なおみ

    保険も適用になるので、本当は再建したかったんです。でもエキスパンダーの大きさに限界があり、健康なもう片方の胸も小さくする必要があると形成外科の先生に言われまして…。結局諦めてしまいました。

  • まきこ

    私が手術した時はまだ自分の組織を使う「自家再建」のみの適用でした。でも自家再建のためには筋肉など組織の質を良くしないといけないため、1年程度の体質改善が必要だと言われたんです。しかもなおみさんと同じように、左右のバランスを整えるためにもう片方の乳房にもメスを入れた方がいいと言われ、一旦そのままにしました。これからインプラント再建することも考えましたが、仕事の都合もありますから、長期の入院は難しいですね…。

  • かずみ

    私が手術をした時は保険適用ではなかったので、200~300万円かかると言われました。術後のことを考えると再建したい気持ちも少しありましたが、それほどの金額はかけられないと思い、断念しました。

  • 宮浦

    健康な胸までメスを入れないといけないというのはとても辛いですね。
    2013年にインプラントの保険適用となりましたが、だれでも希望すれば再建できるわけではないことを知っていただきたいですね。

乳がんと向き合い、
乗り越えるために
すべての女性へのメッセージ

  • 岩嶋

    乳がんのご経験者として、世の中の女性たちへアドバイスをお願いいたします。

  • あきこ

    1回目の手術の際、2ヶ所にがんが見つかったので、最初にかかった病院では全摘出になると言われました。しかも病気の話そっちのけで再建の話ばかりされたんです。どうしても不信感がぬぐえず、友人に相談して内視鏡での手術をしてくれる先生に会い、乳房を温存することができました。納得がいかないときは、セカンドオピニオンを検討することも大切です。

  • まきこ

    自覚症状は全くなく、軽い気持ちで受けた人間ドックで乳がんが見つかりました。検診を受けなければ気付いていなかったので、定期的なチェックは重要です。今も年に1回CTとマンモグラフィー検査を受けています。昨年CT検査でリンパに異常が出ましたが、要経過観察で落ち着いています。全摘出しても、20年経っても乳がんは再発するリスクがあるため、乳がん検診に行ってない方は、ぜひ定期的に検診を受けていただきたいです。
    今でも検診の前後は気分が落ち込むこともありますが、乳がん手術の際、同じ時期に入院していた「がん友」に不安や悩みを相談することで乗り越えています。

  • なおみ

    私が乳がんの宣告を受けたのは、検査を受けた病院でした。「手術をする病院をこの中から選んでください」と一覧表を手渡されるだけの事務的な対応にショックを受けましたが、その時娘が一緒に怒って共感してくれたのには救われましたね。もしもそういった相談相手がいない方は、不安を打ち明けられるコミュニティを利用されるといいと思います。
    私の場合は、手術をする病院を選ぶ際にどうしたらいいのかわからず手探りでしたので、今後、病院選びの助けになる機関ができることを望んでいます。

  • かずみ

    私は区の健診でマンモグラフィーを受けた結果、疑わしいとのことで専門医へ行き、乳がんが見つかりました。一瞬頭が真っ白になりましたが、最善の方法と思い全摘出を受け入れました。「できたものは仕方ない!」と、あまりくよくよ考えず、物事にこだわらない性格なのが良かったのかもしれませんね。

  • やよい

    最初の違和感は、乳房全体が授乳期のように張る感じでした。自分で触診してもしこりは感じませんでしたが、検査を受けたところ乳がんが見つかりました。裸になって胸を出すことに抵抗がある人は多いと思いますが、違和感を覚えたらぜひ検査を受けてほしいです。
    私は当時、乳がんになったことを誰にも言いたくありませんでした。コミュニティなどについていろいろな情報があっても、近くの顔見知りに会いたくないという思いから参加できなかったんです。今回のモニター座談会のような全国の乳がん経験者が集まる場があれば、そんな辛さや苦労を和らげることができるのではないかと思います。

  • 岩嶋

    ありがとうございます。

それぞれに大変なご苦労を乗り越えて、前向きに、アクティブに生きる5名の女性モニターさまの姿に励まされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
乳がんは誰にとっても他人事ではありません。
これから乳がんと向き合っていく、また、現在向き合っている方にとって、この座談会レポートが少しでも参考になれば幸いです。

岩嶋(ファシリテーター)

ピンクリボンアドバイザー初級。
2009年に実施されたピンクリボンサポート・ネットワーキングセミナー(主催:財団法人日本対がん協会)で、ファシリテーターを担当したことを契機にピンクリボン団体の活動支援をスタート。その後、全国でのピンクリボンワークショップキャラバン(認定NPO法人乳房健康研究会)等で、ファシリテーターを務める。どのように啓発活動を行っていくのか、活動を継続していくためにどうネットワークをつくっていくのか、などのワークショップを実施。2020年7月に「ブンジピンクリボンズ」を友人のピンクリボンアドバイザーと2名で立ち上げて、乳がんの啓発活動など女性の健康を守る活動とともに、がんサバイバーやその家族の居場所づくりや気軽におしゃべりのできる場に取り組んでいる。
産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、社会福祉士

宮浦(日本シグマックス株式会社)

2012年よりアモエナ製品担当。同年より日本乳癌学会学術総会を毎年聴講。また、ピンクリボンアドバイザー制度創設2013年から受験。同年初級、2014年中級、2016年上級を取得(すべて第一期)。

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